ナポリからシエナへ、昨日までのように隣に旅の友niraちゃんのいない一人旅。
一人で列車移動するのは初めてで実は結構緊張していた。それは見送ってくれたniraちゃんにも充分伝わっていたらしい。
中央駅からICに乗り途中のキウージテルメでローカレに乗り換える 行程。指定の窓際の席に腰を下ろした時、残り5席は空席だった。ほどなく親子の三人連れがやってきたが、そのおかあさんは私を見て少し驚いたような顔をした。私も気後れして「ボンジョルノ」を言いそびれてしまった。親子とは何となくの会釈挨拶だけになってしっまた。
ああ失敗。。。コンパートメントでの必須コミュニケーションというか最低限の挨拶に失敗したまま列車は動き出した。その後、私は睡魔 に負けて寝てしまい、気がつくともうローマに着いていた。
ローマからは残りの二席の乗客が乗ってきてコンパートメントは満室となった。そして悲しいかな私を除く乗客たちは自分たちの行き先などを楽しそうにやりとりしていた。どーせ私は話せないしね、など
と思っているうちに列車はローマを出発した。いよいよ次の駅で乗り換えだと時刻を確認しようとしたが、日本からFSのサイトで打ち出し持参したはずの時刻表が見あたらない。私はキウージの周辺など来たことがないので車窓を見てもキウージに近づいてるのかどうかなど解らない、時刻だけが頼りなのである。それに、ナポリ出発はきちんと
定時だったが、ローマ出発は定刻より遅れている感じだった。予定ではキウージでは20分ほどの待ち時間でシエナ行きが出るのだが。はたして間に合うのか、自分?もしかしてキウージで乗り損ねて次のローカレまで3時間待ちぼうけ?それよりもキウージで私は降りることできるのか?などなど、乗り換えの不安で私の頭は混乱してきた。
そこへ検札がやってきて、私は切符を出しながら暗記していた会話集の一文を一気に吐き出した。「私はキウージで降りてシエナに行きたい。後何分で着きますか?間に合いますか?」車掌は時計を見なが ら表情を曇らせ「14時頃かな、少し遅れてるよ」と言い放った。それって少しじゃないよ、絶対間に合わない、もうガックリ。
それから私は車窓と時計を交互に見てはなんともいえない気分でい た。しばらくすると同室の客から一斉に「シニョリーナ」と呼ばれた。
車掌の言っていたキウージ到着時刻よりも20分ほど前だ。「エッ」 と顔をあげるとすでに向かいの席の人が私のカートを網棚から下ろそうとしている。親子連れのおあかさんは「ささ、早くあんたの降りる
駅はもうすぐよ」というようなことを言っている。私はリュックも渡され急いで背負うと、カートを渡され早く早くと出口へ送られた。なんと乗降扉の向こうにキウージ駅の標識が見えていた。驚いてコンパートメントの方を振り返ると、親子連れのお父さんが廊下で私が降り
ることを確認してくれていた。私はホームに降り立ち「グッラッツェ」と頭を下げた。こうして私は無事に予定のローカレに乗り換えることができた。ICが出発すると私のローカレもシエナに向かって動き出した。なんだかいい旅が始まりそうな、うまくいきそうな気がしてうれしくなった。 |
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